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忘れることができないあの日。
6月最後の日。
職場の歓送迎会で、私は買ったばかりの白地にカラフルな蝶々のチュニックを着ていた。

一次会が終わり、二次会に向けて荷物の整理をしていた時にママから着信があった。
ママの声はあきらかに最初からおかしかった。どうしても近々会って話したいことがある、、、と。最初は持病の再発を疑ったが、すでに夜8時すぎで、、、そんな時間に?と考えにくかった。
理由を聞いても「電話では話せない」と泣くばかり、、、、嫌な予感がした。「パパとのこと?」そう聞いてみると沈黙する。その沈黙が全てだった。今から会えないか?と提案すると、今日の今日は悪いと遠慮する。いやいや、そんな声きいたら私は私ではっきりしないと逆に心配で寝られないよ、と言い私の家の近くにママがくる形で会うことが決まった。

私の家の近くのファーストフード店でママと合流したけど、、、第一印象はあれ、こんなにママ小さかったっけ? 弱々しかったっけ? こんなに年とってたけ? だった。

そこで、混乱しながらも、、、宝石が無くなったこと、パパが最終的に売ったと認めたこと、シングルマザーと不倫していること、宝石だけでなく預貯金も勝手に下ろされてしまったこと、私がパパ大好き、パパっ娘だったから傷ついて、悲しむとどうしても話せず、またパパから「私ちゃんには、自分から話すから待ってくれ」と口止めされており1ヶ月もの間話せなかったことを聞いた。しかし、今日ママの中学時代の親友2人と食事をしたさいに親友に打ち明けたところ「私ちゃんは、貴女が思うよりずっとしっかりしているから早く話した方がいい。今、ここで私ちゃんに電話しなさい!」と言われて電話をしたことを話してくれた。また、このような状態になったため、離婚を選びさらには老後の資金も無くなってしまったため自宅も手放さなければいけないだろうと語った。


私はママに「引っ越しをするなら、とにかく、私の生活圏内のそばにきて欲しい。私はどんな事を聞いても大丈夫だから」そう伝えるのが精一杯だった。
涙を流すママの手をさすった。私は不思議と涙はでなかった。

ママと別れ自分のアパートに戻ったら、すでにパートナーはソファーで眠りについていた。パートナーに何があったか手紙をかいて、私はベッドに入ったが色んな想いがぐるぐるして眠れなかった。

足元から自分の存在や自分の生きてきた道が崩れていくような感覚にとらわれた。パパの笑顔ばかりがちらついた。現実感がわかなかった。でも、なぜか涙は出なかった。

AM3時
パートナーが目覚め手紙読んだようで、静かに寝室へ入り私を抱きしめてくれた。事態を知ってから6時間後、やっと私は声を上げて泣くことができた。